ボスチロロの旅立ち
秋の風を感じる紅葉の綺麗な季節、11月15日、AM11時05分チロロ、私と娘に見守られながら手の中で旅立ちました。
チロくんは、私にとっての小さな旦那であり、娘にとっては唯一の兄であり、唯一私のありのままをずっと見守ってくれていたパートナーでもありました。
娘の成長をチロくんと共にお腹にいる時から過ごし、常に娘の成長を見守ってくれていた存在。
そして、サラちゃんの相棒、杏ちゃんのお兄ちゃん、みんなのボスでもあったチロロ。
14日の朝、散歩から帰宅後、しばらくしてから様子がおかしく、大好きなご飯を食べませんでした。14日の朝は4件という忙しさの中、直感的に一緒にいないとダメかもしれないと思い、目を離したら危ないかもしれないということで、14日の朝は一緒に車に乗り仕事を回りました。
少しずつ暑くもないのに『ハアハア』と言い出したチロロ。
車から仕事に向かう時に、チロくんは頑張って私の戻りを待っててくれました。

決して弱みを見せないチロロ。それは兄として、培ってきたことなのかもしれません。
そして、ママは絶対帰ってくる…待っているという強い思いと、私に弱っていることを悟られないように頑張っていたのでは…と胸が痛みます。
振り返れば、秋の初めから2階へ一緒に上がっても、ベッドから離れて寝るようになり、しんどいところを見られたくなかったのかもしれません。
様子を見るも悪化していく中で、お昼14時前に仕事が終わり、すぐに娘も乗せて病院へ。
すぐに酸素室に入り、レントゲンとエコーをしてもらい、心臓が悪く、肺炎・肺水腫になっているとのこと。
状態としては悪く、このまま外にいると酸欠状態に陥ることを伝えられました。
入院か在宅で様子を見るか…と言われましたが、チロくんと自宅へ帰る選択をし、酸素室をお借りしました。

酸素室に入り、呼吸も少し落ち着き、いつものチロくんに。
でもこの日に私は知る由もありませんでした。チロくんに残された時間がもうあまりないことを。

これがチロくん最後の食事となりました。
翌朝娘からチロくんが…と言われ駆けつけると立てなくなり横たわる姿。
すぐに酸素を口元に持っていきました。

最後チロくんが生きている間に伝えたかった『感謝』を伝えました。
ママと、この紆余曲折の15年半を共に歩いてくれてありがとう…ママはもう大丈夫だよ…強くなったよ…チロくんがずっと守りたかった妹も大きくなって、もう大丈夫だよ。そしてみんなのリーダーとして立派に頑張ったね…サラちゃん、モアちゃん、杏ちゃんにお散歩を教えてくれてありがとう。ルルに犬の掟を教えてくれてありがとう。本当に本当にありがとう…と。
その感謝の言葉のあとチロくんは息を引き取りました。
15年6ヶ月と5日、一緒に暮らし始めてちょうど15年3ヶ月でした。

初めましてと出会い、一緒に暮らし始めた頃は小さな小さな子犬でしたね。

娘とチロロと一緒に暮らし始めた家は、汲み取りで、お湯もシャワーもない家で、周りから鼻で笑われようが、私にとってかけがいのない家族と過ごす家は、温かい場所になりました。
娘が小さく、病気がちで生活が困窮する中、畑を耕し、野菜を作り、飢えをしのいだこの期間。振り返ればチロくんとたくさんの時間を共有した時期でもありました。



チロくんは常に妹と一緒にいましたね。
ずっとそばで娘の成長を見守り続けました。寝るまではママのそばにいても、布団に行くと必ず娘の足元に。『妹を守るんだ!』と小さい体で15年…その姿は変わりませんでしたね。

毎年お花見も行きました。昔は一緒に電車にも乗ったり、自転車にも乗ったり…1番色々なところに行きました。
今年はチロくんの思い出作りにママも忙しい中頑張りました!

毎年来ている燈花会。わちゃわちゃしながら楽しかったね。

チロくんにとっては4回目のキャンプでした。
暑さが残る日でしたが、みんなで行けてよかったね。
川にみんな入って、帰りはみんなでお風呂でした。

サラちゃんと来た思い出の海へ今年も行きました。
とてもいい顔をして、海の夕日をみんなで初めて見ましたね。海はとても気持ちよく、娘と楽しそうに砂浜を歩いていました。

みんなでおでかけしたピクニック。
みんなわちゃわちゃしているのを眺めて、娘が『走ろう!』というと嬉しそうに走っていました。
ママはチロくんの体のことを思うと『走ろう』とは言えなかったけれど、妹の笑顔のためには頑張る兄の姿が印象的でした。


門扉の上の場所が大好きで、夜もこの場所でお月さんを見ながらもの思いにふけていたね。何を考えていたんだろう…?歳がいってからは階段の上から外を見ていたチロロ。
決して自分の弱みを見せようとはせずに小さい体で頑張ってくれました。
そんなチロくん、態度には出さずともママのことを1番に信頼してくれていました。最後の時、私が駆けつけるのを待っていたように駆けつけた時に嬉しそうにしていたチロ。
チロロなりのあまりに不器用で、でもまっすぐ私に『ありがとう』と伝えてくれていた最期。
チロくんは私がハナちゃんとサラちゃんを目の前で看取れなかったことで、大きくショックを受け、悲しみ、自分を責めていたことを隣で見ていました。
チロロなりの思いやり…私が大きく悲しまないように、今度は自分のことを責めないようにと頑張ってくれていたんだと思います。


最後はたくさんのお花を供えて…今まで本当にありがとう。
新しい旅立ちに『いってらっしゃい』チロロ、バイバイ…またね。
そして最後のママとの約束。来世は腹八分目。


あなたと娘がいたから、母として大黒柱として強くなり、頑張れた。チロロは幸せでしたか?
ママはとても幸せでした。ママのそばにいてくれてありがとう。お空からママと妹を見守っていてくださいね。

